農学全般

栽培学汎論


農業経営設計

作付面積の計算

問 5月から6月にかけて60aの耕地に作物Xおよび作物Yを作付けた。労働において表のような制限があり、各作物の10a当たりの収益がX;8万円、Y;10万円であるとき、最高収益を得るXおよびYの作付面積の組合せを選べ。

1ヶ月の労働制限時間 10a当りの労働時間作物X 作物Y
5月 60 15 5
6月 100 5 20

  X    Y
1. 15a  45a
2. 20a  40a
3. 25a  35a
4. 30a  30a
5. 40a  20a

この場合の制約条件は耕地面積が60aであること5月労働が60時間であること6月労働が100時間であることの3つである。これらの制約条件を満たす作物X,Yの組合せを計算しなければならない。
作物Xの作付面積をXa、作物Yの作付面積をYbとすると、作物Xだけを作付けるならその作付上限面積は40aである。なぜなら下記のような3つの条件を満たさなければならず、5月労働における作付可能面積が最も小さいからである。この場合の収益は32万円である。選択肢5のように作物Xを40a作付けると5月労働を使いきることになるため作物Yは作付できない。
作付面積  Xa≦60
5月労働   1.5Xa≦60 → Xa≦40   ※それぞれの月における1a当りの労働時間で表す
6月労働   0.5Xa≦100 → Xa≦200
収益(40a) 10a当りが8万円だからその4倍で32万円
同じく作物Yだけを作付ける場合、その作付上限面積は6月労働に制約されて50aとなり、その収益は50万円である。
作付面積  Yb≦60
5月労働   0.5Yb≦60 → Yb≦120
6月労働   2.0Yb≦100 → Yb≦50
収益(50a) 10a当りが10万円だからその5倍で50万円
このように10a当たり収益の上回る作物Yのほうが作付上限面積も大きいので、作物Yを中心に作付けることが有利であることがわかる。
数式を用いて計算する場合、作物Xの作付面積がXaであれば,作物Yの作付面積は(60−Xa)となる。
求める収益は、Xa×0.8+(60-Xa)×1.0 なので(※注.0.8と1.0は1a当りの収益)、これを計算すると(60−0.2Xa)万円となる。
この式から収益はXaの変動に伴って動き、これを最大にするにはXaを最小にすればよいことがわかる。
一方、労働時間の制約からXaは以下の式を満たしていなければならない
5月労働  Xa×1.5+(60-Xa)×0.5≦60
6月労働  Xa×0.5+(60-Xa)×2.0≦100
両式を計算すると、13.3≦Xa≦30となり、選択肢の中でこの条件を満たす最小のXaは15である。従って作物Xの作付面積は15a、作物Yの作付面積は45aとなる。

収穫作業時間の計算

問 水田20haの収穫を行うことにした。A氏は普通型コンバインを一台所有しており、そのコンバインを使って9月25日(月)に収穫を始めた。コンバインの作業幅3m、作業速度2km/h、1日の作業時間を10時間とし、実質作業割合を80%、圃場作業効率を50%とするとき、収穫作業はいつ終了するか。ただし日曜日は休みとする。

1日の作業時間10時間にまず実質作業割合80%と圃場作業効率50%をかけると、実質4時間だけコンバインが稼働することになる。作業幅が3m、作業速度が2km/hであるから、1日当たり4時間×3m×2km/h=24×10×10〔u〕収穫ができる。20haは20×10×10〔u〕だから、これを1日当りの収穫可能面積で割ると9日目の途中で収穫作業が終了することがわかる。従って、日曜日を除くと10月4日が終了日となる。




  


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