農学全般

栽培学汎論


花卉

花卉の栽培

・チューリップはユリ科に属し、春に開花後、球根内のいくつかの芽が急速に発達して古い鱗片は枯死して数個の鱗茎ができる。新しい鱗茎は数枚の鱗片を形成した後、数枚の普通葉を形成し、大きい鱗茎はさらに花芽を分化する。花芽分化の適温は20℃で、6月下旬から7月上旬に花芽分化する。花芽は堀上げ後の球根貯蔵中に完成し、植付け期の10月には花芽を含む頂芽が球根内でかなり伸長している。
・グラジオラスはアヤメ科に属し、秋に生長を開始して春に開花するものと、春から生長して夏に開花するものがある。春咲き種は低温を受けて初めて花芽分化し、夏咲き種は温度上昇に伴って春に発芽し、一定の生長の後に花芽分化して開花する。
・ダリアはキク科に属し、春に生長し始め初夏から秋まで継続して開花する。いったん休眠すると、低温を受けて休眠が打破される。
・スイセンはヒガンバナ科に属し、開花後に鱗茎が肥大成熟して地上部が枯死する。新しい鱗茎の生長点は鞘葉と普通葉を形成し、中心部の大きい鱗茎がさらに初夏に花芽を形成した後に生長休止状態になる。これらの芽は高温の後、低温を受けて生長し開花する。
・テッポウユリは秋に露地に植え付けると発芽してできた芽はロゼット状になり、翌春まで茎の伸長は見られない。平均気温が5℃を超える頃から葉の展開が始まり、平均気温11〜12℃付近になると花芽分化する。一般に、低温期間が長くなるほどのその後に温室に搬入してからの開花期間が短くなる。開花後、地上部に新球が形成される休眠性をもっているため一定の高温期間を継続することで休眠打破をする必要がある。従って超促成・促成栽培には新球の温湯処理後に冷蔵処理を1〜3ヶ月行ってから保温・加温するという作型をとることで開花時期を早めている。




  


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