inserted by FC2 system

農学全般

栽培学汎論


果樹の害虫

果実吸蛾類の生態

・フクラスズメの越冬は成虫態で、年2回発生する。他の果実吸蛾類が吸汁した後でないと果実に加害しない
・アケビコノハの越冬は成虫態で、年3回発生する。カンキツ類、リンゴ、ナシ、ブドウなどの果実を吸害する。
ヒメエグリバの越冬は老齢幼虫態で、年4回発生する。幼虫は果樹園の様々な植物で生育し、10月以降カンキツ園に飛来して果実に吸害を与える
・アカエグリバの越冬は成虫態で、年3回発生する。カンキツ類、モモ、ナシ、リンゴ、イチジク、トマトなどが吸害を受ける。
・オオエグリバの越冬は成虫態で、年3回発生する。リンゴ、モモ、スモモ、ブドウ、ナシなどの果実を吸害し、冷涼地で被害が大きい。

果実食入害虫の生態

ナシヒメシンクイガの発生回数は東北地方では年1〜2回、関東・北陸・山陰では年3〜4回、東海北部・四国・九州では年5〜6回発生回数が異なるバラ科落葉果樹の果実を加害する。フェロモントラップによる誘殺が行われている。
モモノゴマダラノメイガの果実の加害は広食性で、モモ、ナシ、リンゴ、クリ、カキ、ミカンなどを加害する。
・ナシマダラメイガはわが国では2化性で、産卵は果実や頂芽の基部に行う。
モモシンクイメイガは成熟幼虫が土中で越冬繭を作りその中で越冬後、5月に繭を出て蛹化繭を作り蛹化する。
リンゴヒメシンクイは土中で繭を作りその中で幼虫越冬する。リンゴ、スモモ、ナシ、サクラなどを加害する。

土壌害虫

コガネムシ類

ドウガネブイブイ(the cupreous chafer)
幼虫は各種作物の根部を、成虫はクヌギ・コナラ・ポプラ・サクラ・ウメなどの葉を食害する。
マメコガネ(the japanese beetle)
広食性で幼虫は根部を食害する。幼虫はマメ類を始めとする畑作物・芝生・庭園木・果樹・雑草などの根部を食し、成虫はサクラ・ウメ・カキ・クリ・ブドウ・フジ・ツツジ・カラマツ・シラカバ・ツユクサ・イヌタデ・ギシギシなど常に多くの食餌植物がある。
センチコガネ(the dung beetle)
家畜の排泄する糞を処理するために使用される。オーストラリアの牛や奈良公園の鹿などの糞を処理するためにこのセンチコガネを含む糞虫の導入が図られた。(従って人間にとって害虫には当たらない)
・ヒメコガネ(the soybean beetle)
幼虫はムギ、陸稲、トウモロコシ、芝生などの根部を食害する。成虫はマメ類・ブドウ・サクラ・カキ・クリ・クヌギ・ポプラなどの葉を食害する。

有用昆虫

有用昆虫

・漢方などで昆虫は薬として用いられているが、冬虫夏草はコウモリガやセミに担子菌類が寄生したもので、DNAからRNAの転写過程の阻害作用があることが認められ、哺乳動物の腫瘍研究との関連でその作用機構の解明が進められている。
・昆虫は多くの国で食用とされているが、日本ではイナゴ(東北地方)、ザザムシ(信州地方)、蜂の子が食されている。
・養蜂は7世紀頃に日本に伝わり、江戸時代に紀州で盛んに飼育され、明治時代にセイヨウバチが導入されてから近代的な養蜂が開始された。ハチミツはミツバチの出すサッカラーゼによりブドウ糖と果糖を主成分とする。
・日本の養蚕は明治以降に急速な発展を遂げ、当時は主要輸出産品であった。現在では生産量は減少し輸入も行っているが、それでも輸入量より国内生産量のほうが多い
・昆虫は花粉媒介の役割をもつが、特にミツバチイチゴのハウス栽培リンゴの花粉媒介に利用されている。




    

inserted by FC2 system